今までの森づくりは産官学が主導してきた。大学での論文、研究機関での実績、政府・自治体からの指導、それを鵜呑みにする民間企業により仲良く進められてきた。これからも変わらないだろう。
しかしその枠に収まらなかった地主がいた。自分の森林哲学を信じて森づくりをしていた。その地主との出会いは1998年。4年程の林業経験で私はほとほと林業に愛想が尽きて足を洗おうかとしていた時だ。地主は林業を面白く語った。私も林業への夢を語り意気投合して共に働くこととなった。地主が2005年に他界するまでの7年間の中で共に創り上げた森林哲学を受け継いで、森林プロデューサー山中慎一朗が枠に収まらない森づくりを提案する。
自分の森を知る
「森を持ってるんだけど、どうしたら良いの?」と聞かれる。「どこに自分の森があるのかわからない」「どんな森なのかわからない」という方もいる。
まずは所轄の役場に連絡して、地籍で調べてもらう。確認ができたら役場と森林組合に相談してみる。「自分の森を何かに活用できませんか?」といった漠然として質問で良い。
森と言っても様々だ。林道の脇にある人工林であったら森林組合は「除間伐をしたほうが良いかと」等とすぐに乗ってくるだろう。作業路もついてなくて車で乗り入れのできない天然林であったら「森林活用は難しい」と言った答えが帰ってくる。
「森まで車で行けますか?どんな森ですか?」との質問で自分の森の概況を知る。ここで実際に足を運んで自分の森を見るか、見ないかで全てが決まる。見ないのであれば売却を考えても良いかと思う。
自分の森を見る
道路がついていたら簡単だ。車で行ってみてくれば良い。しかし森には住所標識もなく看板も塀もない。役場もしくは森林組合の方に同行してもらうのが最も安心である。
道路がついていない場合も森林組合に相談すれば案内してもらえる。すぐにとはいかないだろうが何度も連絡を取れば可能生は大きい。森の状況、森の広さ、森の価値によって森林組合の対応は変わる。
自分の森のビジョンを描く
「どんな森をつくったら良いの?」「どんな森づくりをしたら良いの?」といった質問をいただく。答えは簡単だ「自分の好きなような森をつくったら良い」。
森林組合に相談したらもちろん答えが返ってくる。しかしその答えの多くは「補助金を投入しやすい森」への提案だ。国や自治体がすすめている森であれば問題なく補助金が出る。森林組合はその補助金事業の手数料をとっているので、簡単に補助金がつくような森づくりをすすめるのだ。それを鵜呑みにするのだけは避けた方が良い。森林組合のいうことを聞いて満足した森を手にしたという話は聞いたことがない。とても簡単なことだ。自分の好きなような森をつくればそれがどんな森になろうと人には文句を言わないが、森林組合のいうことを聞いたことによって文句をいっているのだ。立派なカラマツ林を前にして「こんなつまらない山」といっている。経済的活用の森を選んだのだからそちらで楽しむしかないだろう。
周りの森を見て回って「あんな森にしたい」というのが簡単だ。手入れがされている森の全てに補助金が入っているといっても良い。前例があれば補助金はつく。前例がなくても森林組合の仕様に合えば可能である。仕様に合うか合わないかは森林組合が考えてくれるので、何よりも大事なのは自分の森の数十年後のビジョンイメージだろう。自分の年齢から考えればこれからの森とのお付き合いの予想がつく。死んでからの森を夢見るよりも生きている間の森づくりを楽しむことをおススメする。どんなに素晴らしい未来の森よりも今の森を愛して欲しい。
環境的、生態的、公益的、経済的、健康保養的といった森の見方がある。どれかを選択するのではなく全てに通じる森づくりが「森づくり革命」だ。これからビジョンイメージの描き方を具体的に解説する。
〜森の生活〜
会社を解雇され社宅を出ることになった山中慎一朗に否応もなく始まった釧路湿原鶴居村フォレストハウスでの森の生活。1992年ヘンリー・D・ソローとの出会いから始まった森の生活を振り返ります。
〜森の物語〜
おばあちゃんの森 森のキモチの原点となったお話です。カムイの森 森のキモチからの短編応募作品です。
森のキモチ 林業・森林セラピー・森林インストラクター・アイヌ・環境カウンセラーから学んだ森の物語です。
サード・ステージ 45歳で第3の人生が始まった男の物語。
〜森のセラピー〜
北海道唯一・全国民間初の森林セラピー基地プライベートフォレストのプロデュース。富良野、札幌国際大学、北海道大学、ポー川史跡自然公園などの研究員・アドバイザーとしての中から生まれた山中慎一朗の森での過ごし方です。
〜森づくり革命〜
15年間の森の生活から発見した新しい森づくりの提案です。林業から森林セラピー、森林インストラクター、環境カウンセラー、森林プロデューサーの中から生まれました。
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