「生きてる?」
「ん、うん」
「今、救急車呼ぶからね。動かないで。大丈夫?もしもし?あ、路上に男の人が倒れてまして、救急車お願いします。え?釧路駅の向かい側です。南口です。血は出てないようです。大丈夫?どこか痛い所ある?動かないで。もしもし?大丈夫なの?もしもーし?すいません。走ってっちゃいました」
すがすがしい6月の朝、釧路駅の向かいで目が覚めた。路上は冷たかったが通りかかったおばさんは暖かかった。45歳の新しい人生が始まった。全てがリセットされてゼロからのスタートだ。
「おかしなおじさんがいるよ」
「寝てるんじゃないの?」
「目は大きく開いてるし、口も開いてる。完全に固まってるよ。生きてるのかな?」
「そこの交番からお巡りさん呼んでくるよ」
「うん。あ、動いた。こっちに来る。どうしよ」
「ガオー」
「ワー」
子どもを驚かしても何も始まらない。さて、何を始めようか?公園でぼうっとしていてもいいんだけど、お腹もすくし喉も乾いた。何か持っているのかな?いくらかお金がある。仕事を探すか?住むところを探すか?生きるか?死ぬか?
とりあえず生きておこう。
「かあちゃん、お腹痛い。うんこ」
「だから言ったじゃない。うんこしときなさいって」
「出なかったんだもん」
「バス来ちゃうでしょ」
「うんこ」
「もー。」
「出ちゃう」
「コンビニまで我慢して。ほら、早く」
「出ちゃった」
昨日誰と飲んでたんだろ。女だ。道新の記者だ。他にもいたな。今日も遊ぶか?
〜森の生活〜
会社を解雇され社宅を出ることになった山中慎一朗に否応もなく始まった釧路湿原鶴居村フォレストハウスでの森の生活。1992年ヘンリー・D・ソローとの出会いから始まった森の生活を振り返ります。
〜森の物語〜
おばあちゃんの森 森のキモチの原点となったお話です。カムイの森 森のキモチからの短編応募作品です。
森のキモチ 林業・森林セラピー・森林インストラクター・アイヌ・環境カウンセラーから学んだ森の物語です。
サード・ステージ 45歳で第3の人生が始まった男の物語。
〜森のセラピー〜
北海道唯一・全国民間初の森林セラピー基地プライベートフォレストのプロデュース。富良野、札幌国際大学、北海道大学、ポー川史跡自然公園などの研究員・アドバイザーとしての中から生まれた山中慎一朗の森での過ごし方です。
〜森づくり革命〜
15年間の森の生活から発見した新しい森づくりの提案です。林業から森林セラピー、森林インストラクター、環境カウンセラー、森林プロデューサーの中から生まれました。
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